1. はじめに
こんにちは!
今日は、受験勉強において大切な「基本」について一緒に考えてみたいと思います。
みなさんは、先輩や先生方から「基本が大事だよ」と言われたことがあると思います。
その「基本」とは具体的に何を指しているのでしょうか?
今回は「本当の基本」とは一体何なのかを一緒に探ってみましょう。
2. 基本って何だろう?
受験で成功した先輩たちや先生たちは、口を揃えて「基本が大切だ」と言います。しかし、「基本」とは何なのか、皆さんは考えたことがありますか?
「基本的な内容」とは、どこまでの範囲を指し、それを理解することがどうして重要なのでしょうか。
3. 生徒が考える「基本」
生徒たちが考える「基本」とは、しばしば「自分にとって心地良い難易度以下の内容」や「取り組む際にストレスを感じない問題」を意味しています。
例えば、中学数学であれば、簡単な計算問題や既に何度も解いたことのあるパターン問題を「基本」と感じることが多いです。
しかし、こうした内容は必ずしも「真の意味での基本」ではありません。本当の「基本」とは、受験において必要不可欠な基礎的な知識であり、決して簡単なだけのものではないのです。
4. 「本当の基本」は教科書の理解
「本当の基本」とは、教科書に載っている専門用語や定義、例題の解き方を完璧に説明できることです。
例えば、教科書にある内容を他の参考書を使わずに自分の言葉で要約し、何も見ずに紙に書き下せること。あるいは、友人に分かりやすくかつ本質をとらえた説明ができること。教科書の例題をスムーズに解くことができること。
このようなことができてこそ、本当に「基本」が身についていると言えます。
5. なぜ教科書の内容を理解することが大切なのか?
教科書にはその科目の「核」となる部分がつまってます。
教科書の内容がしっかり理解できていると、より難しい問題に取り組む際にその基礎が役立ちます。
初めて見る問題に直面しても、教科書の知識に基づいて推理すれば、大量の部分点をもぎ取る確率を大きく上げることができます。
また、大学入試問題は、教科書の内容を理解していることが前提で作られています。基本的な定義や専門用語を知らなければ、問題文を理解することすら難しいのです。
6. 数学の基本の例
では具体的に基本とは何なのか?
今回は数学の「基本」について、いくつかの具体的な例を学年別に挙げてみましょう。
中学1年生
- 「=」の意味を説明してください。1次方程式の解き方を説明してください。
中学2年生
- 三角形の合同条件について図も使いながら説明してください。合同条件は、どのようなことをするために使うか説明してください。
中学3年生
- 因数分解について説明してください。なぜ因数分解をすると2次方程式を解くことができるのか説明してください。
高校1年生
- 2次方程式の判別式の定義を述べてください。判別式と2次方程式の解の個数、判別式と2次関数のグラフとの関係について説明してください。
- 「仰角」と「俯角」について説明してください。
- 「順列」と「組み合わせ」についてそれぞれ定義を述べてください。この2つの概念の使い分けについて説明してください。
- 条件付き確率の定義を述べてください。
高校2年生
- 相加相乗平均の不等式について説明してください。特に、「等号が成立する」とはどのような意味なのかについても説明してください。
- 対数の定義について説明してください。定義に従って、対数の計算法則を導いてください。
- ベクトルとは何か説明してください。矢印ベクトルの和とベクトルのそれぞれの成分の和に等しくなる理由を説明してください。
- 直線のベクトル方程式について、そのベクトル方程式の導き方を含めて説明してください。
- 群数列の解き方について、何も知らない友人に説明することができますか?
高校3年生
- ある複素数が「純虚数」であることの定義を述べてください。
- 微分をすると関数の増減が分かるのはなぜか説明してください。
- 数列の「収束」と「発散」についての定義を述べてください。
- 逆関数の定義を述べてください。
- 関数の単調増加・単調減少についての定義を述べてください。
- 「中間値の定理」と「平均値の定理」の違いについて述べてください。
- 「微分と積分は逆の関係」は本当ですか?本当と思うなら証明を、違うと思うなら反例を挙げてください。
これらの例題をただ解けるだけではなく、それを説明し、他の人に教えることができるかどうかが、「基本ができている」かどうかの大きな指標となります。
7. 「基本」だけでは受験には通用しない
「基本が大事」と言う先輩たちは、その成功体験を基にアドバイスしていますが、実は「難しい問題に挑戦して失敗し、その中で学んだこと」が成功につながっていることも多いのです。
一方で、後輩たちも「基本ならできるかも」と考え、難しい問題に取り組まずに安心してしまうことがあります。しかし、本番の受験では、難しい問題がある程度は解けなければ大きな差がついてしまいます。
「基本」をしっかり押さえることはもちろん大事ですが、「難問に挑戦し、そこから学ぶこと」もまた重要なのです。
8. まとめ
「基本」とは、教科書の内容を完全に理解し、自分の言葉で説明できること。教科書のすべての例題がスムーズに解けること。
これらを身につけた上で、さらに難しい問題に挑戦し、そこで得た失敗から学ぶことが、受験の成功に繋がる道です。
自分にとって都合の良い「基本」に留まらず、より高みを目指して努力していきましょう。
受験勉強は大変ですが、一歩一歩基本を積み重ねて、着実に前進していきましょう!