はじめに
英作文で「効率的に〜したい」と書きたいとき、つい efficiently を使っていませんか。
もちろん efficiently 自体は正しい英語です。ただ、英語の efficiently は日本語の「効率的に」と完全に同じ感覚ではなく、文脈によっては「ムダ(時間・労力・費用)を最小限にする」というニュアンスまで読み手に伝わります。
その結果、自分の書いた英作文の本文の内容と噛み合わず、採点者(読者)に「話がズレている」と思われてしまうことがあります。
この記事では、受験英作文でよくある例を通して efficiently と effectively の違いを整理し、どちらを選べば自然になるかを分かりやすくまとめます。
以下はポッドキャストです。
それって本当に efficiently?
生徒さんの自由英作文を採点していると、次のような英文によく出会います。
I want to study abroad because I will learn English efficiently.
(私は効率的に英語を習得したいので、留学したいです。)
例えば「留学をすべきかどうか」というテーマの自由英作文で、次のように書く受験生も多いでしょう。
First, I want to study abroad because I will learn English efficiently. Communicating with native speakers every day helps me improve my listening and speaking skills. I also pick up natural, everyday expressions like "What's up?" rather than "How are you?"
(第一に、私は効率的に英語を習得したいので、留学したいです。毎日ネイティブスピーカーとコミュニケーションを取れるので、リスニングとスピーキングのスキルを伸ばすのに役立ちます。How are you? よりも What’s up? のような、自然で日常的な表現を学ぶこともできます。)
この英文自体は、文法的にはまったく不自然ではありません。
ただ、採点者はここでこう感じる可能性があります。
「冒頭で efficiently(効率的に)と言っているのに、『効率』の話が本文に出てこない。はて?」
日本語にすると分かりやすいのですが、「効率的に」と前置きしながら、本文で述べているのは「上達する」「自然な表現を学べる」といった内容です。これは「効果(望む結果)が出る」という話であって、「ムダが減る(時間・労力・費用が節約できる)」という話にはなっていません。
単語選びのズレだけで、読み手をミスリードしてしまうことがあり、そのせいで失点してしまうこともあるでしょう。
efficiently と effectively の意味
ここで、efficiently と effectively の意味を New Oxford Dictionary で確認しておきましょう。
efficiently:in a way that achieves maximum productivity with minimum wasted effort or expense
(ムダな努力や出費を最小限にして、最大限の成果を出すように)
effectively:in such a manner as to achieve a desired result
(望んだ結果を達成できるように)
ここで注意したいのは、次の3点です。
- efficiently は、「ムダな努力や出費を抑えたい」というニュアンスまで相手に伝わることがある
- effectively は、「達成したい結果が先にあり、それを実現したい」というニュアンスを持つ
- 「最小のムダで最大の成果」と「望んだ結果」は、必ずしも同じではない
effectively を使おう
受験生の英作文では、「ムダな努力や出費を最小限にして最大限の成果を出したい」という話よりも、「こうなりたい(望んだ結果を得たい)」という話を書くことの方が圧倒的に多いはずです。
つまり、多くの場面では efficiently よりも effectively の方が文脈に合い、自然な英語になりやすいということです。
先ほどの例も、efficiently を effectively に変えるだけで内容と噛み合います。
First, I want to study abroad because I will learn English effectively. Communicating with native speakers every day helps me improve my listening and speaking skills. I also pick up natural, everyday expressions like "What's up?" rather than "How are you?"
(第一に、私は効果的に英語を習得したいので、留学したいです。毎日ネイティブスピーカーとコミュニケーションを取れるので、リスニングとスピーキングのスキルを伸ばすのに役立ちます。How are you? よりも What’s up? のような、自然で日常的な表現を学ぶこともできます。)
「リスニングとスピーキングを伸ばしたい」「自然な日常表現を身につけたい」という「望んだ結果」があるので、effectively の方が自然です。
ちなみに、次のように「時間を節約できる」「費用面で得をする」といった「ムダが減る」話まで書けている場合は、efficiently が自然になります。
First, I want to study abroad because I can learn English more efficiently. Communicating with native speakers every day helps me improve my English and saves me a lot of time compared with studying English on my own. In addition, I can take advantage of scholarships and other financial aid when I study abroad, whereas it is much harder to find such support if I stay in Japan to study English.
(第一に、私はより効率的に英語を勉強したいので、留学したいです。毎日ネイティブスピーカーとコミュニケーションを取れるので、英語力の向上に役立つだけでなく、一人で勉強するのに比べて多くの時間を節約できます。さらに、留学中は奨学金やそのほかの経済的支援を活用できる場合もあります。一方、日本にいて英語を勉強する場合、そのような支援を見つけるのはより難しいです。)
さいごに
efficiently と effectively は、どちらも「うまくやる」方向の言葉ですが、焦点が違います。
- ムダ(時間・労力・費用)を減らす話なら:efficiently
- 望む結果を出す話なら:effectively
英作文では、単語が正しいかどうかだけでなく、「その単語を選んだなら、本文の中身がその単語の意味やニュアンスを支えているか」が見られます。
もし冒頭で efficiently と書いたなら、本文に「節約できる」「ムダが減る」といった根拠が入っているかをチェックしてください。そうでないなら、effectively に替える(または、より具体的に書く)だけで、文章の一貫性や説得力がぐっと上がります。
ちなみに、受験でも合格という「望む結果」を出すことが優先されます。efficiently ではなく effectively に受験勉強をしていかないといけませんね。